York News
東京生まれ東京育ち東京大学卒の、東京都民による痛い日記です。
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【伊豆の踊り男】 4
こんばんは、York Newsです。

今日、私の部屋のゴミ箱は、玉ねぎの皮でいっぱいになっています。

しかし、それは玉ねぎの皮ではありません。

なにかは言えません。

ただ、現在、日焼けの影響で体中がかゆくて仕方ありません><



今日もまたアレです。




【伊豆の踊り男】

[1]プロローグ

[2]13日の月曜日


[3]出発



[4]一日目

 海に着くと、私たちはとにかくまず海で遊んだ。私たちが海でやることはいつも決まっている。2枚のボディーボードを6人で回しながら、ひたすら波に挑んでいくのだ。サーフボードやナイロン製のボートがあった時もあったが、やることは基本的に同じ、ひたすら波に挑み続けるのだ。それが飽きると今度は各々、浜辺に戻って体を焼いたり、お酒を飲んだり、相変わらず波に挑んだりした。本当に、そればかりだった。しかし、それは何よりも楽しかった。
 私は海に浮かびながらぼんやりと空を眺めていた。それはかなり気持ちよく晴れ上がった空で、まばらな雲がその眺めをいっそうバランスのいいものに仕上げていた。私はいつも思うのだが、雲ひとつない空よりも、少し、それも申し訳程度と言ってもいいようなくらい少しの雲が浮かんでいた方が、見ている側としてはより一層「晴れている」と感じ、そしてすがすがしくなれるような気がする。雲ひとつない空というのはあまりに強烈すぎる、と私は思う。そういう意味で、この日の空はまさに「晴れていた」。

               


 この日訪れたビーチは、2年前にも来た場所だった。しかし、2年前に来た時、私たちは朝の5時から泳いでいたため、人はまばらにしかいなかった。今回、私たちが到着したのは午前9時前だったので
first_beach.jpg

このように、ある程度人間の数も揃っていた。もちろん、途中通ってきた湘南ビーチとは比べても仕方がない程度ではあったが。
 私は煙草を吸い、缶チューハイを飲みながら周囲にいる人に目をやった。いわゆる「人間観察」というやつで、私は普段はまったくと言っていいほどこれを怠っている類の人間だった。知らない他人に気を巡らすというのがどうしても好きになれず、また出来なかったからだ。しかし今私がいるのは晴れ渡ったビーチ。当然、人々は裸に申し訳程度の布をまとっただけの格好をしているわけで、知らず知らずのうちに目もそちらにいってしまう。というのが普通の見解かもしれないが、ひいき目に言っても私は相変わらず自分の、自分たちの殻の中にいた。つまるところ、ここに描写するのが目的で人為的に観察をしていたわけだ。
 このビーチでは比較的、若い人が多かった。“比較的”というのはその翌日行ったビーチと比較した時の話で、2日目のビーチの方は完全にファミリーに支配されていた。目の前の浜辺では、若い女性方がこぞってその肌を露出していた。白い肌が浜辺で眩しく光っている。そう、そこにいる人は皆白かった。そこから、彼女たちは普段から海に慣れ親しんでいる方の人間ではなく、夏休みを利用して海に遊びに来ている方だということがわかる。また、2年前と違っていてビキニの上から布を巻くような水着を着用している人はどこにもいなかった。これが流行りというものなのか。相変わらず、私は5年物の海パンを履いているというのに。
「Yorkさん女ばっか見て何鼻の下伸ばしてんすか。狩りすか」
 仲間の一人に冷やかされた。やれやれ、私は再び波と闘うべく、砂だらけになった腰をゆっくりと上げて、そして海へと走って行った。

               


 昼食は、仲間の一人が前もってチェックしていた海の家で取ることになっていた。そこはテレビ番組で紹介されたこともある有名な店だという。私たちは朝から何も食べていなかったので、結構な期待を胸に、それと同じくらい口の中を濡らしながら店に向かった。時間はまだ11時前であった。
伊勢海老入り天丼   1720円
 それがこの店の売りとする一品だった。高い。それに、海老は嫌いだ。私ははるばる来たその店で、カツカレー――840円、を頼んだ。空気の読めない行動。わがまま。そう言われるかもしれないが、この時、私以外にももうひとり別のメニュー、ラーメン大盛り――750円、を頼んだ者がいた。さらには、若干二名にいたっては「高すぎるぜぃ」と言って別の店に入った。集団行動は、どうやら最も苦手な科目の一つのようだ。10年前には全員体育会系部活に所属し、みっちり絞られていたことを打ち明けても、きっと誰にも信じてもらえないのではないかと思った。こういう時にぴったりの台詞がある。「やれやれ」。

               


 私たちは15時過ぎには海を上がった。皆、“歳”を言い訳にして、その日の戦闘に終止符を打ったのだ。その話がなされていた時、私は相変わらず寝ていた。肌がすごいことになっていた。
 6人中4人が有料シャワーを浴び、そして支度を済ますと私たちはまた車に乗り込んだ。再び1時間程のドライブを楽しんだ。あたりはいわゆるド田舎だった。らしい。こんな時間でさえ、その3大欲求の一角をなす睡眠欲にねじ込まれていたのはもちろん私だった。

               


 この旅行での宿泊場所はすべて「素泊まり」の施設だった。その日、私たちが泊まったのは
first_shukuhakuchi.jpg

ここで、外観はなかなか素敵な雰囲気だった。一階が管理している家族の生活空間になっており、私たちには二階の一部屋が与えられた。2段ベッドが3つ備え付けられた部屋で、冷房器具は扇風機だけだった。大の男が6人一部屋で密集、考えただけで汗が噴き出てきた。
 私は部屋に着くと、とりあえずシャワーを浴びた。帰ってくると部屋では皆、マンガを読んでいた。どうやら、その建物に用意されていたものらしかった。私もその中に入り、持ってきた『ダンスダンスダンス』を開いた。この旅行でそれを開いたのはこれが初めてだった。しかし、それを読むのも束の間、夕食を食べにいくことが可決された。
 夕食を食べる場所を探すのに、結構な時間がかかった。山を降りたのはいいのだが、それでも十分な店は見つからなかったからだ。もちろん、ここでいう“十分”というのはかなり偏った見方でその合格ラインが定められており、私たちの中には「ここでしか食べられない物を食べる」ということに一切興味を持たない者が当然いた。しかも過半数。
 結局、夕食は回転ずしで済まされた。これはまあまあの判断だったと思う。私は寿司が大嫌いなのだが、それはここでは黙っていた。なぜならもう一人寿司嫌いがいたから。3分の1の割合で寿司を食べられない人間がいるのが異常なら、その状況で寿司屋――とは言っても回転寿司だが――に入るのも異常だと思われるかもしれない。しかし、この状況ではこの選択は悪くなかった。私たち寿司嫌いにとっても、まあまあ満足してその店を出ることができたし、なんといってもここは旨い寿司を食べられる土地なのだ。それを食べずに帰るのはやはり寂しい、私はそう思う。
 今回の回転ずしで私が食べたいわゆる生魚の寿司は“いわし”と“サーモン”だけだったが、それは私に十分な感銘を与えてくれた。きっとこのような寿司屋が近くにあれば、私の寿司嫌いも治るのではないかと思わされたくらいだ。やはり、美味しいものは美味しいのだ。その新鮮さは、私の記憶の中に、力強く新たな1ページを刻んだ。代わりに、家から徒歩5分のところにある回転ずしで食べた寿司の記憶が消去された。

               


 夕食を食べて宿舎に帰ると、また各々がマンガを読みだし、そしてそのまま就寝した。部屋はあまりに暑すぎたが、それでも私も相変わらず『ダンスダンスダンス』に夢中になっていた。物語は目まぐるしく展開していた。主人公は北海道に赴き、そこで、この物語の最重要と言えるある体験をした。そして東京に戻るのだが、私はきっとここまででひとつの短編小説がかけると思った。北海道での出来事。それは、私がこれまで読んだ村上春樹にはない展開であり、私は短編の題名としては『いるかホテル』がいいと思った。『羊男』も捨てがたいが、やはりここまでの展開ではいるかホテルの存在があまりに大きかった。その頃、実際の世界では外で家族連れが花火をやっている音がした。宿泊客は私たちだけではないのだ。
 『ダンスダンスダンス』をベッドに横たわりながら読み、切りのいいところで起き上がっては缶チューハイを飲み、汗をふき、また寝ころんでは紙面の上で視線を踊らせた。チューハイはあまり好きではなかったが、その時あるお酒がそれしかなく、また、それが唯一の飲料だった。そうやって踊り続けたのだが、2時間もするとさすがに限界が訪れ、私は涼みがてら煙草を吸いに外に出てみた。外にはもう、先ほどまでの家族連れはいなかった。当然だ。もう、時刻は0時を回っていた。私たちの部屋でさえ、起きていたのはもう私だけだった。みんな疲れていたし、それに、昼間っから寝ていたのは私だけだった。そういうわけで、私は少しの間、ひとりの時間を楽しむことが出来た。
 上を見上げると、驚くくらいに星が輝いていた。最初、私は自分の知っている一等星を探してみた。夏の大三角――ベガ、デネブ、アルタイル。それはすぐに見つけることが出来た。最後にこれだけの星を見たのはいつだっただろうか。それは、たしか、2年前の夏だった。と言っても、この仲間での旅行ではなく、サークルで合宿に行った時のことだ。私は丁度、肝試しに参加していた。ルールで女の子と二人で手をつないで、所定の道筋を進んだ。私は普段、あまりそういうの――いわゆる“ホラーもの”――は得意ではないのだが、それを知っていた分、その日は事前にかなりお酒を飲んでいた。私からは「怖い」という感情は消え失せ、いっしょに歩いていた子と仲良く星の話をしていた。お化け役の先輩たちに「邪魔しないでください」とか言って、その後かなり反感を買っていた。懐かしい話だ。もう10年くらい前のような気がする。その時探したのも夏の大三角だった。
「やれやれ、あの頃から天体に関する知識は一向に進歩していない」
 そんな思い出にふけっていたら、気がつくと目の前は無数の星でいっぱいになっていた。目が慣れたせいでどの星もかなりしっかりと見え、それによって逆に先ほど見つけた大三角を見失っていた。目の前の上空には、黒い部分と白い部分、どちらの方が多くの面積を占めているかわからないくらい多くの星が光り輝いていたのだ。夏の大三角はおろか、天の川もよくわからなかった。私は星を探すのを諦め、そしてまたベッドの上で踊りを踊った。しばらくすると、やっと私も眠りにつくことが出来た。長い一日目の終わりだった。

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一東京都民による、痛い日記です。
いろいろと病んでいる人が書いています。
ものすごく寒いギャグを割りとしれっと発することがあるので、読んでいただける場合は防寒準備をしっかりすることをオススメします。
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仲良くしていってくださるとうれしいです(*´∀`)
ちなみに、シモネタ厳禁ですヽ(*`Д´)ノ

最近はあまり読書もしておりませんが、よろしければ→ 本棚

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